TOOT【トゥート】

ブランドヒストリー TOOT

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日本発のブランドとして、こだわりあるモノづくりと豊富なデザインから世界十数カ国で愛され、コレクションに数百万円を注ぐコレクターも存在すると言われているTOOT。そんなコアな人気を持つTOOTの魅力について、この記事では解説していきます。

TOOTとは

日本発のラグジュアリーメンズパンツブランドとして海外十数カ国にも展開しているTOOT。2000年の創業当時からメンズアンダーウェアの分野で旋風を起こし、コロナ禍でも過去最高の売上を誇っています。近年まで創業者が謎に包まれていたTOOTですが、生みの親が判明し、話題になりました。ブランドの歴史や特徴についてここでは解説していきます。 

2000年に創業され、コロナ禍でも増収増益を続ける

TOOTは2000年に大石卓氏によって創業されました。ラグジュアリー層向けのパンツとして販売され、追求された履き心地の良さに加え豊富なデザインのバリエーションが人気を博しています。人気になったデザインは再販しない方針を掲げており、コレクターがコレクションとしてTOOTのパンツに数百万円を投じているとも言われるほどコアな人気を誇るブランドです。

生みの親は元芸大出身のアーティスト 

TOOTの名前の由来は創業者である大石卓氏の名前のイニシャルが元になっているそうです。大石卓氏は、芸大出身で仕事の傍ら油絵を書いていました。「描きたい時に描く」というスタンスで絵を描いていた大石氏は、画家を生業には選ばず、アパレルや飲食業に携わりながらも衝動に駆られると絵を描いていたそうです。

そんな大石氏は、当時伊勢丹の社内報に携わりつつ海外ブランドのVMDとして各地の百貨店を訪ね歩く中で、昨年対比販売実績を割らない商品が化粧品とメンズパンツであることを発見します。感度の高い顧客が足を運ぶ伊勢丹でも、メンズのパンツ売り場で人気を誇るのは海外ブランドのある1社だけだったそうです。

その海外ブランドのパンツも、パンツとしては高額にも関わらず、生地や足口が伸びてしまい「着ている人は絶対に納得していないはずだ」と感じたと大石氏は言います。そこから本当に穿き心地の良いパンツの「機能」を第一に考えたモノづくりに着手。初代のTOOTは芸術がバックグラウンドにある人が作ったとは思えないほどシンプルなデザインになっています。

精密かつ緻密なパンツ作りから他にはない履き心地を生む 

TOOTは日本製の生地、石川県で作られるオリジナルのゴムを使い、宮崎県にある自社工場で縫製しています。メイドインジャパンにこだわっているブランドです。パンツ一枚を作るのに手間がかかるため、海外では作れないと言われるほどクオリティーにこだわっています。

例えば、カップ部の下に糸がほつれないよういんパンツの縫製では滅多に使わない仕様である「カン止め」を施したり、洗濯・乾燥をしても脚口が伸びないように伸び止めテープを縫ったりしているのです。糸のほつれがないため、裏表を逆に穿いても気がつかないとも言われています。 

ミリ単位にこだわる宮崎工場の熟練のスタッフ

宮崎の工場のスタッフは熟練の人材が多く、「力がかかる部分は補強しましょう」「カップの形状をシリーズによって変えましょう」「カップ周りのバインダー(縫製)の長さやバインダー縫製のテンションを細かく変えましょう」などの提案を行っているそうです。企画担当と作り手が密にコミュニケーションをとり、時には穿いた時にデザインがきれいに見えるようにミリ単位の修正を加えることもあると言われています。

売り切れたデザインは再販しない 

TOOTは、創業時から売り切れたデザインは再販しないことを決めています。そのため、ファンの中にはコレクターもたくさんおり、数百万円を投じる方がいることで有名です。伊勢丹メンズ館地下1階にある肌着売場では全国に先駆けて1週間あるいは2週間に一度、新作を出しており新しい商品を次々と販売しています。

TOOTを体現する4名の人物

メンズ肌着分野のラグジュアリーブランドとして業績拡大を続けるTOOT。そんな名ブランドを支える重要人物をここでは紹介していきます。 

芸大卒、アーティストの一面も持つ創業者、大石卓氏 

創業者の大石卓氏は、芸大出身でプライベートで絵を描いているアーティストです。海外ブランドのVMDを務めていた時に独自の審美眼で売れ行きの落ちないジャンルを特定し、パンツというアパレルアイテムの課題を発見します。そこから、デザインを真似されても高度な縫製技術は真似できない高級アパレルメゾンのように、縫製には徹底的にこだわるという姿勢でTOOTのパンツ作りを行ったそうです。 

細部にまで徹底的にこだわり、機能面で圧倒的優位性を構築

他社のパンツは裏返すと縫い方が雑で裏返しの見た目ですが、TOOTは裏も綺麗な仕上がりになっています。国によって割礼文化の有無が異なり、それによってパンツの中の男性器の収め方も変わるにも関わらず、パンツのフロントカップに工夫がないことにも着目するなど細部にこだわってモノづくりを行う姿勢がTOOTの特徴です。

実際にTOOTのパンツでは、フロントカップの曲線のトップの位置やフロントカップ内の微細に異なるテンションやホールド感にも配慮しています。さまざまな素材で試作を繰り返して生まれるのがTOOTのパンツなのです。

宮崎工場代表、日本一のパンツ職人と評される上原譲二氏

創業者の大石卓氏がその腕に惚れ込み、現在の社長、枡野恵也氏も信頼を寄せるのが見崎工場代表の上原譲二氏です。パンツの製造に25年以上携わっており、枡野社長が「日本一のパンツ職人」と評しています。

いわゆる量産工場では、コストを下げることや効率的な生産体制の構築に注力しがちです。ですがTOOTの場合は穿く人にも気づかれないような部分に手を加えることを追求しています。「他では簡単にできることをあえて難しくしており、そういった難問に挑戦し模索することが楽しい」と上原氏は語ります。モノづくりを探求する姿勢がTOOTの品質の源流となっているのです。

デザイナー、品川出亜氏

品川出亜氏は創業時からウェブのデザインやカタログの撮影を担当していました。創業者である大石卓氏の引退を機に、デザイン担当を引き継いでいます。TOOTのパンツ作りの面白さは、自由度が高いところだと語っており、パンツでは使わない生地を使ったり、ゴムやプリントなどもオリジナルで型にハマらないようなものを使ったりしています。「持っていて嬉しくなるパンツ」を作ることをモットーとしており、穿き心地だけでなくデザインにもこだわっています。

二代目社長、枡野恵也氏

二代目社長の枡野恵也氏はまさにエリートと言われる経歴を持つ人物です。マッキンゼー・アンド・カンパニーに新卒で入社後にオンライン英会話最大手のレアジョブでの法人事業の立ち上げ1年での黒字化、日本初のベンチャー生命保険会社、ライフネット生命保険での東証マザーズ上場、海外事業展開への貢献など華々しいキャリアを築いています。2015年4月よりTOOTの代表取締役に就任。

先代社長の大石卓氏が「そろそろ油絵に本腰を入れたい」と思い、油絵画家を専業とするべくファンドへの株式売却を決意されたそうです。枡野恵也氏が後継として選ばれた理由の一つが、枡野氏のファッションへの造詣の深さだったと言われています。枡野恵也氏に経営が引き継がれた後もTOOTは順調に業績を伸ばしており、フルリモート体制への移行や枡野恵也氏自身が東京から岡山県に移住されるなど、特徴的な経営を行っています。

TOOTのパンツを穿いてみよう

エヴァンゲリオンとのコラボ作品も販売されるなど、TOOTのパンツはデザインも豊富です。機能面はもちろん遊び心もあるアイテムをぜひあなたも手にとってみてください。 

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